フェルミ推定
フェルミ推定は、把握するのが困難な問題の数量を仮説などを組み合わせて短時間に概数を求める方法。
ソフトウェアエンジニアなら、工数の概数見積もりなんかで無意識に使っているかも。
Think! Spring 2007 No21 の記事、"「フェルミ推定」で鍛える地頭力 - 日本全国に電柱は何本あるか?" の本論の前に以下のような問題があったので考えてみた。
- 問題:「日本全国に電柱は何本あるか?」
- 解答する上での条件:
- 制限時間は 3分
- 電卓/PC等の使用は不可(紙と筆記用具のみ使用)
- 一切の情報の参照は不可

- 作者: 東洋経済新報社
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: 大型本
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とりあえず、無難に
- 日本の表面積と電柱の密度(単位面積あたりの本数)から算出
してみようかと思ったのだが、以下のように考えた結果、なんとなく考慮する要素が多く面倒そうだったので却下。
- 日本の表面積がわからん
- 日本地図を絵に描いて適当に割り出すかな
- なんとなく算出が面倒そう
- 電柱の密度は?
- 結構バラつきありそうだし、電柱の無いエリアも結構あるかも
- 街中以外の電柱の本数がイメージできん
次に、「電柱は道路に沿って立てられているケースが多そう」な気がしたので
- 日本中の道路の総距離と電柱同士の平均距離から算出
してみようかと思ったのだが、以下のようにこれも答えに近づけそうになかったので却下。
- 電柱同士の距離は?
- 街中だと 10m から 20m 位毎に電柱がありそう
- 街の外がイメージできん
- 道路の総距離がわからん
- 算出方法が思いつかん
更に、「電柱は建物に電気を供給している」のだから、
- 日本全国の建物の数から算出
する事を考えてみたが、建物の数をどうやって算出するか、すぐに思い浮かばなかったのでとりあえず保留。
そして、「電柱は家庭に電気を供給するのが目的なのでは?」と考え、
- 日本中の家庭の数(世帯数)から算出
する事に。
この段階で、なんとなく開き直っていたため、以下のような直感で「総人口を 4で割った結果が電柱の数」という非常にシンプルな仮説を設定。
- 電柱は家庭に電気を供給
- だったら、各家庭に 1本ずつ位の割合で存在しているのでは
- なんとなく 4人家族が平均的なイメージがある
- 4人家族に 1本の割合で電柱があるのでは
日本の総人口を1億数千万としか知らなかったが、とりあえず1億5千万人(実際は、1億3千万くらいらしい)に設定し、3800万本という結果を算出。
電柱の総本数 = 日本の総人口(1億5千万)/ 4 ≒ 3800万本
結果的に、3分以内の算出には失敗したが、実際の電柱の本数は約3300万本らしい(件の記事に記載)ので、かなり適当に算出した割には意外に近い数値で驚いた。
しかし、「発散から収束」のようなプロセスで算出方法を考えていれば、もっと効率的に答えにたどり着けたかもしれない。
ちなみに、記事の本文では解答例として、表面積と単位面積あたりの電柱の本数から算出していたが、市街地と郊外地を分けて算出する等、興味深い内容で発想に刺激を受けた。
このフェルミ推定、人それぞれの思考の癖がはっきりと出そうだし、なかなか面白い。
今度、機会があればアイスブレイクなんかで使ってみようかな。
また、フェルミ推定の思考のパターンで分類したりすると、性格分析とかでも使えそうな気がする。